A側には歩行者用信号しかなく歩行者用信号が青で、B側には車両用信号がある場合で、B側の車両用信号が赤であった場合 その6

自動車保険の加入者が自動車事故を起こした場合の過失割合を解説する。
A側には歩行者用信号しかなく歩行者用信号が青で、B側には車両用信号がある場合で、
B側の車両用信号が赤であった場合 その6

状況図はここをクリック

どちらかに重過失があった場合

Aに重過失があった場合 A50%:50%B

Bに重過失が合った場合 A10%:90%B


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1−13−(6)
どちらかに重過失があった場合

Aに重過失があった場合 A50%:50%B

Bに重過失が合った場合 A10%:90%


重過失」とは、「著しい過失」よりも更に重い「故意」に比肩する重大な過失をいう。
例えば、
 @酒酔い運転
 A居眠り運転
 B無免許運転
 Cおおむね30km以上の速度違反
 D過労、病気および薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある場合
などが考えられる。

したがって、基本のA30%:70%を20%修正した。

なお、Bの信号無視自体は「重大な過失」であるが、基本の70%に折込済みである。
 
 
本件の基本はA30%:70%Bであることの根拠は以下の通り。 

1.交差点のうち、比較的交通量が少ない場所では、一方の信号が常時青色表示であり、
  横断歩行者が歩行者専用の押しボタン式信号機を操作したときのみ
  車両用信号が赤色表示になる交差点がある。

2.このような交差点では、Bは対面する信号に規制されるが、
  A側には車両用信号がないので(歩行者用信号であるから歩行者のみが規制される)、
  Aは信号には何ら規制されないことになる。

3.したがって、A側からみれば、本件交差点は信号機により交通規制が行われていない
  交差点と解され、対面する信号機がないことになるので、
  Aは、信号の表示のいかんにかかわらず、直進はもとより、右折も左折も可能である。

4.ところで本件のような交差点では、A側に一時停止の標識が設けられているのが通常である。
  とすれば、「一方に一時停止がある場合」(こちらを参照されたい)に準拠する余地も
  ないわけではない。

5.しかし、A側の歩行者専用の信号が青であれば、B側の車両専用信号は赤であるから、
  Aとしては、赤信号のBが交差点に進入してくることはないと信頼するのが通常である
  と考えられ、この信頼は法的に保護されるべきものと考えるのが相当である
  (東京高裁判H15.6.19、東京地裁判H14.11.28
   交民集35巻6号1598頁参照)。

そこで、本件の場合、Aが一時停止を無視しても基本はA30%:70%Bとした。

本件の基本と修正の一連の流れは
ここをクリック

参考文献:「別冊判例タイムズ 第16号 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」
       東京地裁民事交通訴訟研究会 編 (判例タイムズ社 刊)





A側には歩行者用信号しかなく歩行者用信号が青で、B側には車両用信号がある場合で、B側の車両用信号が赤であった場合 その5

自動車保険の加入者が自動車事故を起こした場合の過失割合を解説する。
A側には歩行者用信号しかなく歩行者用信号が青で、B側には車両用信号がある場合で、
B側の車両用信号が赤であった場合 その5

どちらかに著しい過失があった場合

Aに著しい過失があった場合 A40%:60%B

Bに著しい過失が合った場合 A20%:80%B


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1−13−(5)
どちらかに著しい過失があった場合

Aに著しい過失があった場合 A40%:60%B

Bに著しい過失が合った場合 A20%:80%B


「著しい過失」とは、事故態様ごとに通常想定されている程度(基本)を超えるような過失をいう。
例えば、
 @わき見運転等前方不注視の著しい場合
 A著しいハンドル・ブレーキ操作不適切
 B携帯電話等の通話装置を通話のため使用したり
 Cカーナビやテレビ等画像を注視しながら運転すること、
 Dおおむね時速15km以上30km未満の速度違反
 E酒気帯び運転
などが考えられる。


したがって、基本のA30%:70%を10%修正した。
 
 
本件の基本はA30%:70%Bであることの根拠は以下の通り。 

1.交差点のうち、比較的交通量が少ない場所では、一方の信号が常時青色表示であり、
  横断歩行者が歩行者専用の押しボタン式信号機を操作したときのみ
  車両用信号が赤色表示になる交差点がある。

2.このような交差点では、Bは対面する信号に規制されるが、
  A側には車両用信号がないので(歩行者用信号であるから歩行者のみが規制される)、
  Aは信号には何ら規制されないことになる。

3.したがって、A側からみれば、本件交差点は信号機により交通規制が行われていない
  交差点と解され、対面する信号機がないことになるので、
  Aは、信号の表示のいかんにかかわらず、直進はもとより、右折も左折も可能である。

4.ところで本件のような交差点では、A側に一時停止の標識が設けられているのが通常である。
  とすれば、「一方に一時停止がある場合」(こちらを参照されたい)に準拠する余地も
  ないわけではない。

5.しかし、A側の歩行者専用の信号が青であれば、B側の車両専用信号は赤であるから、
  Aとしては、赤信号のBが交差点に進入してくることはないと信頼するのが通常である
  と考えられ、この信頼は法的に保護されるべきものと考えるのが相当である
  (東京高裁判H15.6.19、東京地裁判H14.11.28
   交民集35巻6号1598頁参照)。

そこで、本件の場合、Aが一時停止を無視しても基本はA30%:70%Bとした。

本件の基本と修正の一連の流れは
ここをクリック

参考文献:「別冊判例タイムズ 第16号 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」
       東京地裁民事交通訴訟研究会 編 (判例タイムズ社 刊)



側には歩行者用信号しかなく歩行者用信号が青で、B側には車両用信号がある場合で、B側の車両用信号が赤であった場合 その4

自動車保険の加入者が自動車事故を起こした場合の過失割合を解説する。
A側には歩行者用信号しかなく歩行者用信号が青で、B側には車両用信号がある場合で、
B側の車両用信号が赤であった場合 その4

Aが一時停止後に進入した場合 A15%:85%B


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1−13−(4)
Aが一時停止後に進入した場合

A15%:85%B

@本件は、主としてAの一時停止義務違反を前提とし、
 Aが一時停止した場合は修正要素としている。

AAが一時停止し、左右を見てBの接近を認めたものの、その速度と
 距離の判断を誤ったため衝突した場合には、
 Aを具体的に確認できたBの過失も相当程度あるものと言える。
 
Cしたがって、基本のA30%:70%を15%修正して、
 Aが一時停止した場合は、A15%:85%Bとした。

※一時停止について

 よく「停止した」という当事者の声を聞くが
大半は、停止線の先で停止したり、申し訳程度に一瞬止まったに過ぎないケースが多く、
このような停止は一時停止とはいえない。

@まず停止線で完全に止まり

A一呼吸おいて左右を確認し

B確認できない見通しの悪い交差点では
 徐々に「頭出し」をする

のが正しい一時停止の方法である。

 車両等は、一時停止標識の設けられた交差点では、
道路標識等による停止線の直前で一時停止しなければならない
また、一時停止した車両等は交差道路を通行する車両等の進行を
妨げてはならない
(道路交通法43条参照)

 したがって、交差点の形状により停止線に停止したのでは
左右の確認ができないときは
更に、徐行発進しつつ左右の安全を確認しなければならない。

 
本件の基本はA30%:70%Bであることの根拠は以下の通り。 

1.交差点のうち、比較的交通量が少ない場所では、一方の信号が常時青色表示であり、
  横断歩行者が歩行者専用の押しボタン式信号機を操作したときのみ
  車両用信号が赤色表示になる交差点がある。

2.このような交差点では、Bは対面する信号に規制されるが、
  A側には車両用信号がないので(歩行者用信号であるから歩行者のみが規制される)、
  Aは信号には何ら規制されないことになる。

3.したがって、A側からみれば、本件交差点は信号機により交通規制が行われていない
  交差点と解され、対面する信号機がないことになるので、
  Aは、信号の表示のいかんにかかわらず、直進はもとより、右折も左折も可能である。

4.ところで本件のような交差点では、A側に一時停止の標識が設けられているのが通常である。
  とすれば、「一方に一時停止がある場合」(こちらを参照されたい)に準拠する余地も
  ないわけではない。

5.しかし、A側の歩行者専用の信号が青であれば、B側の車両専用信号は赤であるから、
  Aとしては、赤信号のBが交差点に進入してくることはないと信頼するのが通常である
  と考えられ、この信頼は法的に保護されるべきものと考えるのが相当である
  (東京高裁判H15.6.19、東京地裁判H14.11.28
   交民集35巻6号1598頁参照)。

そこで、本件の場合、Aが一時停止を無視しても基本はA30%:70%Bとした。

本件の基本と修正の一連の流れは
ここをクリック

参考文献:「別冊判例タイムズ 第16号 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」
       東京地裁民事交通訴訟研究会 編 (判例タイムズ社 刊)



A側には歩行者用信号しかなく歩行者用信号が青で、B側には車両用信号がある場合で、 B側の車両用信号が赤であった場合 その3

自動車保険の加入者が自動車事故を起こした場合の過失割合を解説する。

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Aが減速した場合
A20%:80%B


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1−13−(3)
Aが減速した場合

A20%:80%B

@本件は、双方の車両が徐行ないしそれに近い減速をすることなく、
 同速度で進入しているのが常態である

A減速とは
 法定の徐行の程度に達している必要はない。
 当該道路を通行する車両の通常の速度(制限速度規制が参考になる)
 より明らかに減速していることを意味する。
 
B一般に40km/h制限の場所ではおおむね20km/hまで減速しないと
 「減速」とは言わない。
 40km/h制限の場所で60km/hから30km/hに減速しただけでは
 「減速」とは言わない。

Cしたがって、基本のA30%:70%を10%修正して、
 Aが減速した場合は、A40%:60%Bとした。
 
本件の基本はA30%:70%Bであることの根拠は以下の通り。 

1.交差点のうち、比較的交通量が少ない場所では、一方の信号が常時青色表示であり、
  横断歩行者が歩行者専用の押しボタン式信号機を操作したときのみ
  車両用信号が赤色表示になる交差点がある。

2.このような交差点では、Bは対面する信号に規制されるが、
  A側には車両用信号がないので(歩行者用信号であるから歩行者のみが規制される)、
  Aは信号には何ら規制されないことになる。

3.したがって、A側からみれば、本件交差点は信号機により交通規制が行われていない
  交差点と解され、対面する信号機がないことになるので、
  Aは、信号の表示のいかんにかかわらず、直進はもとより、右折も左折も可能である。

4.ところで本件のような交差点では、A側に一時停止の標識が設けられているのが通常である。
  とすれば、「一方に一時停止がある場合」(こちらを参照されたい)に準拠する余地も
  ないわけではない。

5.しかし、A側の歩行者専用の信号が青であれば、B側の車両専用信号は赤であるから、
  Aとしては、赤信号のBが交差点に進入してくることはないと信頼するのが通常である
  と考えられ、この信頼は法的に保護されるべきものと考えるのが相当である
  (東京高裁判H15.6.19、東京地裁判H14.11.28
   交民集35巻6号1598頁参照)。

そこで、本件の場合、Aが一時停止を無視しても基本はA30%:70%Bとした。

本件の基本と修正の一連の流れは
ここをクリック

参考文献:「別冊判例タイムズ 第16号 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」
       東京地裁民事交通訴訟研究会 編 (判例タイムズ社 刊)



A側には歩行者用信号しかなく歩行者用信号が青で、B側には車両用信号がある場合で、 B側の車両用信号が赤であった場合 その2

自動車保険の加入者が自動車事故を起こした場合の過失割合を解説する。

Aに何らかの過失あり、又はBの明らかな先入があった場合
A40%:60%B


損害保険会社の事故処理担当者はここからスタートして交渉を始める

状況図はここをクリック

1−13−(2)
Aに何らかの過失あり、又はBの明らかな先入があった場合

A40%:60%B

@ここでいうAの「過失」とは、
 通常の前方(交差点ないしそれに近接する場所)に対する安全不確認
 又は発見後の回避措置懈怠を意味する。

A交差道路から交差点に入るA車両は、
 左右の安全を確認して交差点に進入すべき注意義務(道路交通法36条4項)
 又は
 安全運転義務(道路交通法70条)がある。

B例えば、Aが歩行者青信号で進入するに当たり、軽度の注意で信号無視車両B
 を発見できるのに、左右の安全を確認せず進入した場合などがこれに当たる。

C赤信号車Bが明らかに交差点に先入している場合も、発見が容易であるので
 同様に考える。

DBが明らかに先入したかどうかは、衝突地点、衝突部位当により明らかになるが、
 双方の速度に留意して総合的に判断する必要がある。

Eしたがって、基本のA30%:70%を10%修正して、
 A40%:60%Bとした。
 
本件の基本はA30%:70%Bであることの根拠は以下の通り。 

1.交差点のうち、比較的交通量が少ない場所では、一方の信号が常時青色表示であり、
  横断歩行者が歩行者専用の押しボタン式信号機を操作したときのみ
  車両用信号が赤色表示になる交差点がある。

2.このような交差点では、Bは対面する信号に規制されるが、
  A側には車両用信号がないので(歩行者用信号であるから歩行者のみが規制される)、
  Aは信号には何ら規制されないことになる。

3.したがって、A側からみれば、本件交差点は信号機により交通規制が行われていない
  交差点と解され、対面する信号機がないことになるので、
  Aは、信号の表示のいかんにかかわらず、直進はもとより、右折も左折も可能である。

4.ところで本件のような交差点では、A側に一時停止の標識が設けられているのが通常である。
  とすれば、「一方に一時停止がある場合」(こちらを参照されたい)に準拠する余地も
  ないわけではない。

5.しかし、A側の歩行者専用の信号が青であれば、B側の車両専用信号は赤であるから、
  Aとしては、赤信号のBが交差点に進入してくることはないと信頼するのが通常である
  と考えられ、この信頼は法的に保護されるべきものと考えるのが相当である
  (東京高裁判H15.6.19、東京地裁判H14.11.28
   交民集35巻6号1598頁参照)。

そこで、本件の場合、Aが一時停止を無視しても基本はA30%:70%Bとした。


参考文献:「別冊判例タイムズ 第16号 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」
       東京地裁民事交通訴訟研究会 編 (判例タイムズ社 刊)



A側に押しボタン式歩行者用信号青色表示(車両用信号なし)と、B側に車両用信号赤色表示の交差点での事故 その1

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自動車保険の加入者が自動車事故を起こした場合の過失割合を解説する。
A側には歩行者用信号しかなく歩行者用信号が青で、B側には車両用信号がある場合で、
B側の車両用信号が赤であった場合
基本
A30%:70%B


損害保険会社の事故処理担当者はここからスタートして交渉を始める

1−13−(1)
基本

A30%:70%B

1.交差点のうち、比較的交通量が少ない場所では、一方の信号が常時青色表示であり、
  横断歩行者が歩行者専用の押しボタン式信号機を操作したときのみ
  車両用信号が赤色表示になる交差点がある。

2.このような交差点では、Bは対面する信号に規制されるが、
  A側には車両用信号がないので(歩行者用信号であるから歩行者のみが規制される)、
  Aは信号には何ら規制されないことになる。

3.したがって、A側からみれば、本件交差点は信号機により交通規制が行われていない
  交差点と解され、対面する信号機がないことになるので、
  Aは、信号の表示のいかんにかかわらず、直進はもとより、右折も左折も可能である。

4.ところで本件のような交差点では、A側に一時停止の標識が設けられているのが通常である。
  とすれば、「一方に一時停止がある場合」(こちらを参照されたい)に準拠する余地も
  ないわけではない。

5.しかし、A側の歩行者専用の信号が青であれば、B側の車両専用信号は赤であるから、
  Aとしては、赤信号のBが交差点に進入してくることはないと信頼するのが通常である
  と考えられ、この信頼は法的に保護されるべきものと考えるのが相当である
  (東京高裁判H15.6.19、東京地裁判H14.11.28
   交民集35巻6号1598頁参照)。

そこで、本件の場合、Aが一時停止を無視しても基本はA30%:70%Bとした。


参考文献:「別冊判例タイムズ 第16号 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」
       東京地裁民事交通訴訟研究会 編 (判例タイムズ社 刊)



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