交差点における右折車と直進車の事故(1)直進車・右折車とも青信号で進入した場合 その8 右折車にその他の著しい過失または重過失がある場合


自動車保険の加入者が自動車事故を起こした場合の過失割合を解説する。
交差点における右折車と直進車の事故(1)
直進車・右折車とも青信号で進入した場合 その8
右折車にその他の著しい過失または重過失がある場合
A10%:90%B


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1−14−(8)
右折車にその他の著しい過失または重過失がある場合

A10%:90%B

1.右折車は、直進車または左折車の進行妨害をしてはならない
  (道路交通法37条参照)。

2.ここでいう進行妨害とは、
  右折車が右折を継続し、または右折し始めたときに、
  このままだと衝突する危険があるので
  直進車や左折車が速度または方向を急に変更せざるをえない
  にもかかわらず、
  右折車が停止せずそのまま右折しようとすることをいう。
  (道路交通法2条1項22号参照)

3.右折車は直進車の通過を待たなければならないのであり、
  このような場合において、直進車が右折車に対して
  優先関係にたつのは明らかである。

4.しかし、直進車優先とはいえ、直進車もある程度は右折車に注意して
  できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない義務があり
  (道路交通法36条4項)、
  具体的な事故でも直進車に前方不注視やハンドル・ブレーキ操作の
  不適切等何らかの過失が肯定されることが多い。

5.「著しい過失」とは、事故態様ごとに通常想定されている程度(基本)を超えるような過失をいう。
 例えば、
 @わき見運転等前方不注視の著しい場合
 A著しいハンドル・ブレーキ操作不適切
 B携帯電話等の通話装置を通話のため使用したり
 Cカーナビやテレビ等画像を注視しながら運転すること、
 Dおおむね時速15km以上30km未満の速度違反
 E酒気帯び運転
 などが考えられる。

6.「重過失」とは、「著しい過失」よりも更に重い「故意」に比肩する重大な過失をいう。
 例えば、
 @酒酔い運転
 A居眠り運転
 B無免許運転
 Cおおむね30km以上の速度違反
 D過労、病気および薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある場合
 などが考えられる。

  

本事例では、基本のA20%:80%BからBに10%修正加算し
A10%:90%Bとした。

  
参考文献:「別冊判例タイムズ 第16号 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」
       東京地裁民事交通訴訟研究会 編 (判例タイムズ社 刊)





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